■だれもがせかいのちゅうしんであいをさけぶ。うるさい。

客観的に聴こえる論理で、バリバリの主観を押し通すのが僕らのお仕事。
敬意も納得もないが、みんなの最終的な妥協が、建築基準法というクソの山。
ある会合で、いつものように終わらない議論の落としどころとして、僕はクソの山を持ち出した。


「工学的判断としては先生のご意見は正しいと思いますが、一応法規にはここまでの範囲でよい
 と明文化されておりますので・・・」
「だから、認めろって?乱暴な理屈だとは思わない?」
「そう言われても・・・こちらとしてはこれ以上に安全側の数値を取ることはできかねます」
「まぁ・・・実務的にはそうなるか・・・しかし、建築基準法というのは、まるで地方の温泉旅館
 みたいだねぇ。増築、改築の繰り返しで原型の精神も将来の方向性もまるで見えない」


さすが、先生はうまいことを言う。
全くその通り。
矛盾、妥協、外圧、世論・・・様々な顔が一つ一つの改正や告示に浮かび上がってくるようだ。


ただ、な。
おまえが言うな、と。
国交省シンクタンクでもあろうお前らがそんなことを言うな、と。


営業が言うのはいい。
大工さんがいうのもいい。
デザイナーさんがいうのもまぁいい。
確認申請機関が言うのなら、涙がでるくらい同情もする。


ただ、おまえだけは言うな。
名声があり、責任もあるオマエだけは、言うな。


あと、オレらも言うな。
弁護士以上に法解釈をいじくりまわすオレらが、法律をバカにすんな。


理由や根拠のない条文なんてないんだぜ。
不完全であったり、矛盾してたりもするけど、そこには精神があるんだぜ。


最悪だな。


最悪だな。


でも、たぶん、これが、ずーっと続く。
さぁ、どうする?


1.コンプライアンス大義名分をかざして、法律の下で思考停止をしちゃう!
2.工学的判断の名の下に、葛藤も理性も存在しない自己満足を貫き通す!
3.経済設計がモットー!お客様の懐事情はわかってます!オレなら姉葉みたいなヘマはしない!


は。


1.楽になりたいし、責任は追いたくない。
2.持論を曲げたくないし、プライドもある。
3.完全ではない理論や法規、あるかもわからない危険に対してコストをかけたくない。


ですよねー。


またしても、悩み続けるのが正しいのだと思うよ。
諦めたり、決めたりはすんな。
真理とか、正解とか、ねぇから。
あっても、認めません。


あがいて、なやみつづける人が、オレは好きだな。


そんな、どうでもいい話をしたくなったので、した。


基本建築基準法関係法令集〈2008年版(平成20年版)〉

基本建築基準法関係法令集〈2008年版(平成20年版)〉