第42回 全日本空手道選手権大会

押忍。


知り合いが出るというので、またしても全日本空手道選手権大会です。
去年と一緒の極真ですので、グローブなしのマジグーパンチです。


正確に言うと、新極真会
押忍。


そんなに叩いたら死んじゃう、死んじゃうよ。
でも、死なない。
骨とか折ったりはする。


見るのも3年目ともなれば、覚えた選手も結構増える。
50才の白髪のおじちゃんは今年も頑張ってたし、キックのフェイントがムダに多彩な170cmの彼とか。
無差別級なのに、そんな人もがんばる。
面白い、面白いぞ、新極真会


もちろん、一番面白いのは 168cm 80kgのボクのヒーロー。
おかしな体になったもんだね。
全然、太く見えねーのに、何が詰まってるのやら。
夢とかかしら。
ステキ!


彼は初めて出会った頃に比べて、ずいぶん強くなってしまった。
体重は10kg近く増やすという、謎のマッスルボディ。
パンチで前にプレッシャーをかける戦い方から、魔法のような前蹴りで間合いを操る空手家に。
目で見てわかるくらい、明らかに強くなった。なった気がする。
それって、すごくない?


ブロック別の大会では当たり前のように優勝するようになる。
先月はヨーロッパの大会に出場しヨーロッパチャンピオンに惜しくも敗退し、準優勝に悔しがるようになる。
積み上げたもんだなぁ。
それって、すごく、すごくない?


さて、当の全国大会無差別級。
一回戦がまた運の悪いことに181cm 90kg。
全日本選手権にでるんだから、ウドの大木のワケがなく超強い。
しかし、体格の差をものともせずに終始圧倒。
あぶなげなく二回戦へ。
なんでだろう。


二回戦がまた運の悪いことに177cm 90kg。
去年の日本代表だそうで、マジ強い。超やばい。ハンパない。
魔法のような前蹴りで距離をとり、間合いに入ったら中段蹴りという戦い方で前半はペースを取る。
勝てるんじゃないか、という期待。
しかし、終盤、相手の膝蹴りからのラッシュで押し込まれる。
互角の打ち合いも、リーチと体格の差で徐々に押され始める。


がんばれ。
なぜ、この世の全ての格闘技に体重別があるのか。
小さな選手が大きな選手と戦う時に無条件で賞賛されるのか。
これを見れば、わかる。
かっこいい。
泣ける。


結果。
判定負け。
なんでだろう。


一昨年は二回戦負け。
去年も二回戦負け。
今年も二回戦負け。


鍛え、積み上げ、明らかに強くなった。
なのに、それでも超えられない壁がある。
こういう時が、一番辛いんじゃないか、などという想像。
悔しくないはずがないのに、彼は負けた後にこう言ったって。


「あー空手って面白いなぁ」


バカじゃないのか。
バカなんだろうなぁ。
バカになれない人は、なにひとつ越えられないから。


こんなに強いのに、自尊心やら自己顕示欲が一切ない彼は、メンド臭くない幕の内一歩のよう。
空手と柔道の区別もつかない女子に、負けたことをいじられても、おいしいと笑う。
血反吐を吐いた日々を、欠けた前歯と痛む脇腹を数分間のネタで消費して、笑う。


ホント、かっけーなー。


毎年、終わった後にメシを一緒に食う。
そのときに、「来年はどうするんですか?」と聞いていたけど。
もう、聞くまでもない。
もう、聞かないでもわかる。


誰かが、聞いた。


「どこまでいきたいの?」


「よーわからん」


形のないものを追い続けるのは大変なのだなぁ。
続けて、一言。


「とりあえず、日本代表になりたい」


震えが来た。


『とりあえず』
『日本代表』


その、夢やら覚悟やら日々やら焦燥感やら。
いや、マジ、ヒーローだわ。
今後も当ブログは彼を応援し続けます。


ちなみに、空手家の嫁さんとか応援に来る女子は、なぜか全員モデルレベルの美人。
モテるんですね。
マジマッチョは、もてるんですね。
マジマッチョはね。