イビチャじゃなくてイビツァにしてくれ

電車で一時間くらいの場所にいく。
暇なので本を買おう。金もないのに。
オシムの言葉」を買った。
1600円はたけぇよ。


今日、京浜東北線で、30近い少しだけアゴの出ている男が本を読んで泣いていたら、それがオレだ。
すごいよ。
行き帰りで読み終わっちゃったよ。


サッカーは脇。
言葉も脇。
この本で読めるのは、オシムという人の歴史だ。
少なくとも、カワブチキャプテンが「オシム」と呼び捨てにしていいほどには、軽くない。
全然、軽くない。
「さん」をつけろよデコスケ野郎。


ジーコはバカだなぁ」は余裕で言えた。
トルシエはバカだなぁ」も歌うように言えた。
「加茂はバカだなぁ」なんて口癖だった。
だけど「オシムはバカだなぁ」とは絶対に言えない。
もし、彼が代表の監督になったら、僕はきっと試合の結果のみでしか語れない。
軽い気持ちで評価なんかした日にゃ、自分を鏡で見つめ返して、ため息をつくハメになる。
そのくらい遠くにいて、重くて、余地がない。
完敗。


引用をひとつ。
作中で通訳さんが言う。
オシムは良い監督なんじゃない。監督という生き物なのだ」
それが、どれだけ、スゴイことか。
聖職。


中田もこの本を読めば、考え直してくれるんじゃないかなぁ。
奇しくも「サッカーは走ることから始まる」という結論に達した彼ならば。
オシムのチームでプレーする中田を見てみたい。
読書家らしいあの人ならもう読んでるかなぁ。
残念。


つまりスゲーおもしろい。
最近面白くなくなった金子達仁さんの代わりに木村元彦さんの本。
旧ユーゴ関係の著書があと二冊あるみたい。
金もないのに。


1600円はやすいよ。